集中せずに分散して、新しいアイデアを出す
上司から「新しいアイデアを持ってきて」と言われたことはないだろうか?
または、成績を上げるため、仕事のために、頭を捻ってアイデアを考えたことはないだろうか?
仕事では、他の人が考え付かなかったアイデアを生み出すことは、いろいろな面で有利だ。
これには異論がないだろう。
ところで、アイデアを考え出すときに、机の前で腕を組みながら唸っている姿が良く想像される。
また、何か新しいことを考え出すときに、そのことに極度に集中して我慢強く思考している人が多いように見受けられる。
だが、果たして集中することは新しいアイデアを出すために、本当に重要なことなのだろうか?
結論から言えば、私は集中するほどだめだ、と思っている。
集中することが必ずダメなわけではない。
時には何時間もじっと考え続けることは必要だろう。
私も、1つのことに何時間もじっと集中して考えることもある。
むしろ、「何もアイデアが出ない」と言っている人は、集中して何時間も考えてなんかいない。
せいぜい、20~30分ぐらいではないか。
ところで(またところでだが)、新しいアイデアは、大きく分けて3つのことに分けられると思う。
1つ目は、何かと何かの組み合わせ。
2つ目は、何かを削ることによって得られること。
3つ目は、考えてもみなかった違う用途に使うこと
この1つ目と、3つ目に共通することは何であろうか?
それは、1つのこととは違う分野と結びつけることではないだろうか?
結びつけるのなら、それは離れていれば離れているほど良い。
近しいものなら、あっと驚くようなものはできないはずだ。
まったく関係のないものが良い。
集中しているとこれができない。
集中するとは、一点に集中するというように、その物事から目を離さず、じっと追い続けることを言う。
目を離さず、じっと追い続けるので、違う物事に目がいかず、離れている何かとリンクさせることが難しい。
集中するより、分散するほうがいいだろう。
猫のようにきょろきょろとするのがいい。
私は集中力がない、という人も多い。
大丈夫だ。
それだけで、他の人よりアイデアを出す能力が高い。
分散することで他の物事を視野に入れていくことができる。
私のお勧めは散歩をすることだ。
よく、散歩をしながら考えたり、話したりする偉人がいる。
スティーブ・ジョブズもその一人だ。
散歩をしながら考え事をすると、集中力が分散されるので、良いアイデアが浮かびやすいのだろう。
周りの景色を見る。人が歩いてくる。音楽が流れている。
いろいろな情報が入ってくることによって意識が分散され、考えていることと全く別のことを考えるようになり、遠く離れた物事とリンクさせることができるのだ。
また、一旦集中して考えた後に、すっかりと忘れてリラックスしているときにアイデアが思いつくこともある。
先ほども書いたように、集中することはもちろん大事だ。
何分も、何時間も集中して考えた後に分散することで、このようなアイデアが生まれるのだ。
そして、何時間も集中して考えていれば、疲れてきて、考えても何も思い浮かばなくなってしまう。
何も思い浮かばなくなってくれば、悩んでしまう。
悩んでいるとは、もうすでにそのことについて考えていないのだ。
悩んだ時が分散する時だと考えるのがいいかもしれない。