できるビジネスマンが必ず使っている、抽象化思考
昔、ふとしたことで知り合いになった40代男性からの話。
彼は、某大手外資企業のサラリーマンで、年収は2000万ぐらいと言っていた。
(外資企業はもちろん有能な人材に給料を多く払う)
この抽象化思考は、社会人はもちろん、学生や主婦の方など、いわゆる問題を解決するための最適な方法といえるかと思う。
おそらく、多くの人は問題を抱え、それを解決するために悩んでいると思う。
仕事の営業成績が悪い。
部下がミスばかりする。
妻と(または旦那と)うまくいっていない。
彼女とけんかしてしまった。
お金がない。
友達がいない(必要かどうかはわからないが)
日常が面白くない。
などなど。
仕事も、私生活も全て、人生とは問題を解決することだといえるかもしれない。
この問題を、今よりもずっとより良く解決したいとは思わないだろうか?
問題を解決するのに最適な考え方、思考法を身に付けたいと思わないだろうか?
仕事のコツは、いろいろあるけれど、重要なことの一つは抽象的に考えることだ、と彼は言った。
抽象的に考えることは、問題をすぐに、手っ取り早く解決するというわけではないが、適用範囲が広いので、一度身につけばほとんどすべてのことに応用可能だ。
では、抽象的に考えるとはどういうことなのだろうか?
物事の具体的なことを取っ払って、本質を抽出することだ。
抽象的とは本質を捉えることといってもいいだろう。
例えば、妻とうまくいっていないとしよう。
顔を合わせば喧嘩ばかりする。
嫌味を言ってくる。
子供の教育のことで意見が合わない。
でも、別れるのは嫌だ。
これは具体的なことだ。
これの本質的なこととは何か?
お互いに思いやりがないこと、ではないだろうか?
思いやりが持てないから喧嘩ばかりするのではないだろうか?
まずは、こちらから思いやりを持って接したら良い。
相手もその行動に感化されて変化があるかもしれない。
さらに、このことは友人関係、親子関係など、人との関係全般に言えるのではないか?
お互いに思いやりがないと、こういった関係は良好にならないのではないか?
このように、他のことにも適用できる本質的なことを、抽象化と呼ぶ。
逆に具体的思考とは何だろうか?
例えば部下がミスばかりする。
では、ミスをしないように自分がダブルチェックをするようにしよう。
しかし、これで本当に良いのだろうか?
確かにトラブルは減ったが、それは部下のミスの改善という問題を本当に解決できたのだろうか?
部下のミスのせいで、自分の仕事量が増え、生産性は減っている。
これでは部下がミスをするという本当の解決にはなっていない。
これを抽象化、本質的に捉えたらどうだろう?
そのミスをしないよう仕組みを作ればよいのではないか?
例えば、仕事の初めに一日の予定を組み、ミスをしそうな場面を想定してチェックシートを作るというのも一つの方法だ。
こうすれば、本質的な問題の解決になるのではないだろうか?
さらに、これを他のことにも使えないだろうか?
毎日30分筋トレをするなど、何かを習慣化しようと何度誓いを立てても、いつもその願いが破られる人が多い。
では、20時に筋トレをするなど、一日の予定を組み、その通りに実行すればよいのではないか?
20時に携帯のアラームを鳴らしてもいい。
つまり、具体的なこととは、その状況、その場面で適用されるが、応用力が低い。
逆に、抽象的なこととは、物事の本質をとらえるので、いろいろな場面に適用でき、しかもこれが一番有益なことであるが、自分が思ってもみなかったところから、重大な問題の解決策が見つかるということがままある。
一流のビジネスマンや、イノベーションを起こした偉人や、偉大な発明者は、この能力が必ず高かった。
身近な例でいえば、工場のベルトコンベアから連想された、回転ずしの発明だ。
こういった、イノベーション、発明は必ず抽象化思考力が必要となってくる。
では、どうすればこの抽象化能力を高めていけばよいのだろうか?