忙しいから時間がないのではなく、時間がない人を忙しいという

 よく「忙しくて時間がないんだ」と自信たっぷりに、自慢げに言う人がいるが、これは原因と結果を逆に認識している。

本当は「忙しくて時間がない」のではなく、「時間がないことを忙しい」というのだ。

これは、本当は自分は何かをやり遂げる能力はあるのだが、ただ一点、時間というものがないために、それが今できないでいる、と言っているのに等しい。

つまり、時間がないというのを、できないことの言い訳にしている。

本当は自分の能力が足りないだけだが、それを認識したくないので、時間という言い訳を持ってくる。

面倒くさいとか、そういったことも同じ類のものだ。

ほとんどの人は、自分でも気づいていないが、この場合が多い。

これは無意識に起こることである。

こういった知りたくないという欲望を、フロイトは抑圧と言った。

自分の能力がない、努力できないなどに真正面から向き合いたくないのでこれを抑圧して、時間がないという言い訳が出てくる。

なので、時間がないと感じた場合、ほんとにそうなのか、と疑ってかかったほうが良い。

自分の意識は無意識が動かしている。

そもそも時間がないというのも、よくよく考えてみれば、嘘であることがわかるはずだ。

忙しいと言いながら、テレビを見て、スマホを見て、友人と飲みに行って、など時間を削るところはたっぷりとあるはずだ。

「いや、それらはストレス発散のために必要なんだ」と本気で思っている人も多いが、1日の内の多くの時間をストレス発散に使えば、それこそストレスが溜まる時間もないだろう。

自分が見たくない、と思っている現実だと気づけば、それをどうにかしようと改善する意識も芽生える。

 また、忙しいというのは、あまりにも格好悪いことだ、というのもわかるかと思う。

自分に能力がなく、しかもそれを言い訳にしているわけだし、時間の使い方が上手くできない、と言っているに等しい。

どれだけやることがあっても、毎日暇だ、と言い続けたいものである。