なぜ、あなたはやる気が出ないのか?

 なぜ、あなたはやる気が出ないのか、という話をします。

「やる気があれば、もっと出世できるのに」とか、「自分には能力があるのに、やる気がないせいで上手くできない」とか、日々思い悩んでいる人も多いでしょう。

無能な上司は、「自分の能力が低いのをやる気のせいにしているだけだ。もっとやる気を出せ」と言ってくるでしょう。

「そう言われてみれば、そうかもしれない」とあなたは思って、ますます思い悩み、ますますやる気がなくってしまうかもしれません。

ですが、大丈夫です。

この、無能な上司の言っていることは、まったく的外れです。

なぜかそうなのか、ということを今から証明したいと思います。

 

 よく、「やりたくないけど、仕方ないから」という理由で、ちょっと掃除を始めてみると、ついつい部屋の中だけでなく、押し入れの中まで整理してしまう、なんて経験はあるかと思います。

これは、嫌なことでも一度はじめてみると、やる気がでて、はじめに思ってもみなかったところまでやってしまう、ということです。

あまりやりたくない仕事でも、一度手を付け始めたら、「ちょっと切りのいいところまで」と考えて、ついついやってしまいます。

これもはじめはやる気がなかったが、やってみるとやる気が出てくる、ということです。

つまり、やる気を出したいのであれば、「今すぐ、それをやる」、というのが解決策です。

 

 これは脳科学でも証明されています。

やる気というのは、脳内の神経伝達物質であるドーパミンによって引き起こされます。

このドーパミンが分泌されるのは、側坐核と呼ばれる脳の部分です。

そして、この側坐核を活性化させるためには、実際に行動を起こさなければなりません。

つまり、実際に行動を起こす前には、側坐核は不活性化しているので、やる気が起きなくて当然なのです。

やってはじめて、側坐核は活性化し、ドーパミンを分泌し、やる気が出てきます。

 

 この、「やる気を出すためにはやるしかない」というのは、言い方を変えると、「やる前はやる気がなくて当たり前」ということです。

やる気がなくて当たり前なので、それに思い悩んだり、考え込んだりする必要はありません。

それに、「やれば、そのうちやる気が出てくるはずだ」と考えれば、かなり気が楽になるのではないでしょうか?

「やる気がないのが当たり前だから別にいい。面倒くさいけど、とりあえずやってみよう」と、考えてみてはどうでしょうか?

 

 「そうは言っても、はじめにやってみる、というところが一番難しいのだ」

「なんでもはじめが一番、力がいるのだ」と言う人もいるでしょう。

ここでは、そんな人のために、はじめの一歩が踏み出せるテクニックを伝えたいと思います。

 

 1つ目は準備をすることです。

例えば、行政書士の勉強をしなければいけない、ということにしましょう。

やらなければいけないことはわかっているのに、やる気が出ず、なかなかはじめられません。

でしたら、まずは勉強をする準備をしましょう。

まずは参考書を買うために、本屋に行きましょう。

いろいろな参考書をぱらぱらとめくって、一番わかりやすそうなものを選んでください。

それから、ノートやボールペン、蛍光ペン、なども買います。

お金に余裕のある人は、しっかりとした机と椅子を買ってみましょう。

勉強するのに必要なものを想像して、それを用意します。

あとは、参考書を開いて勉強するだけ、という状態にします。

そして、実際にやらなくてもいいから、1日のうち3分でも5分でもいいので、参考書の前に座ってみます。

無理に参考書を開かなくてもいいです。

そのようにやっているうちに、いつの間にか勉強をはじめてるでしょう。

 

 2つ目は、少しずつ、簡単なことからはじめること

多くの人は、いきなり難しいことからやってしまいがちです。

難しいことからやってしまうと、継続することが難しくなってしまいます。

それは、料理をあまりやったことがないのに、いきなりフレンチコースをつくるようなものです。

まずは、ご飯を炊いて、みそ汁を作って、炒め物を作って、というように簡単なことからはじめるべきです。

参考書の例でいうと、まずは基本的な、薄い本を買うべきです。

そこで、はじめに行政書士の全体像をつかみ、派生的に知識を習得していくべきです。

分厚い本を買うと、最後までやらずに挫折してしまう確率が高まります。

 

 3つ目は、完璧主義を捨てることです。

一つ一つ確実に習得していかないと、次の段階に行くとわからなくなる、と多くの人は思います。

なので、今やっていることを100%やろうとします。

本だったら、1ページ1ページ確実に理解する。

わからないところは、辞書を引いて調べてみる。

ですが、これははっきりいって疲れます。

長続きはしません。

実際、一通りやってみて全体像をつかむことによって、俯瞰した目で見ることができ、一つ一つのことに何の意味があるか、ということがわかってきます。

これは、全体像がはっきりしてないことにはわかりません。

「試験勉強は、先に教科書を読むより、まずは過去問を見てすぐに答えを参照するべきだ。それから教科書を読みこむのがいい」という話があります。

これも、試験の範囲という全体像を先につかんでおいてから、細かいところをやっていく、という方法です。

こうすれば一つ一つに何の意味があるかわかり、それによって記憶に定着し、忘れることは少なくなります。

それに、自分が今どのあたりにいるか、というのがわからなければ、モチベーションは下がってしまうでしょう。

ラソンのように、ゴールがわかっているから何時間も走っていられますが、ゴールがどこにあるかわからなければ、すぐに走ることが嫌になってくるでしょう。

 

どうでしょうか?

やる気というのはやる前はないのが普通だ、ということ。

やる気を出すためには、まずはやってみるということ。

やってみるためには、

①準備をすること

②少しづつ、簡単なことから始めること

③完璧主義を捨てること

これらを実践しさえすれば、自分の価値は必ず高まります。