ノウハウは、それだけでは役に立たない

 「 こうすれば上手くいく5つの方法」のように、ノウハウを前面に押し出した本や動画は非常に多い。

「自分もすぐ真似できそうだ」、「明日からすぐ使える」と思わせることにより、本の売れ行きが良くなり、動画の閲覧数が上がるのだろう。

ただ、このノウハウをそっくりそのまま実践しても、たいていの場合上手くいかない。

それは当然である。

その人の場合は上手くいったかもしれないが、年齢も環境も人間関係も、何から何まで違う自分では、そのノウハウは当てはまらないことが多いからだ(たまたまの場合も多い)。

他人が履き慣らして足にぴったりと合った靴を、自分が履いてみたところでしっくりとはこないのと同じだ。

ノウハウとは、その人にだけぴったりと合った靴なのである。

では、このノウハウを会得しても無駄なのであろうか?

それは、その人次第である。

結論から言えば、そのノウハウの本質を捉えて、自分にあてはめ具体化していけば、参考になる場合もある。

 

 ノウハウとは具体的なものだ。

その具体的なものを、本質を捉えて抽象化し、また自分にあてはめ具体化するということが必要である。

なので、本や動画を読んだときに、「これの本質は一体何であろうか?」と考え、その本質から自分にあてはめどうやって具体化すればいいのか、と考える。

これができなければ、得るところはかなり少ないと思う。

 

 では、どうやって具体から抽象へ、また具体化へと考えればよいのか?

これは常にそういう思考をする、と決めて訓練するしかない。

一朝一夕で身につくものではない。

野球の素振りのように、サッカーのリフティングのように、毎日毎日、地味なことをコツコツと続けていくしかない。

だが、コツコツ続けた人だけが、プロ野球選手になり、プロサッカー選手になり、他の人とは違う個性的なアイデアが出るのだ。